「使う側」から「作る側」へ ~あのカーナビは俺が作ったんやで!~
こんにちは、てぃってぃ(嫁)の夫です。
はてなブログでのお題「しごとの思い出」ということで、私の「IT企業への憧れ」から、実際に入社して経験した「カーナビ開発の思い出」について、熱く語ってみます!
特に、就職先・転職先として、システムエンジニア、プログラマーを目指している方には、この業界の魅力をたっぷり伝えていますので、是非一読してもらいたいなと思います。
※ はてなブログのお題への応募ということで、いつもと違うテイストで書きますね。
IT技術と共に育ってきた学生時代
ガラケーとの出会い
2020年現在、アラサーである私は、目まぐるしいIT技術の発展の中で育ってきました。
今現在、小学校や中学校に通っている子は、きっと「スマホ」がある世界が当たり前なんだと思います。でも、私たちの世代の人達にとっては、まだスマホは「新しい、革命的な機器」だと感じている人も多いでしょう。それもそのはず、私たちアラサー世代は、中学校や高校あたりで、スマホの前身である「ガラケー」に初めて触れたという方が多いのではないかと思います。「スマホ」は、まだまだ新しい機器なのです。
中学生の当時、はじめてガラケーを見た私は、「へぇ、電話の受話器だけ持ち運べるんだ!便利!!」って思いました。実際、初期の携帯電話はそうでしたよね。「携帯電話」という名前も、そういう役割だったからこそです。
また、「これ流行るのかな?」っていう疑問もありましたが、今はもう日用品のデファクトスタンダードとも言うべき電子機器になりましたよね。やっぱり時代は便利な方へと変わっていくのですね。
そしてガラケーには、当時は画期的だった「電子メール」の機能が付いていました。今のスマートフォンみたいに、ディスプレイは鮮明な解像度ではなく、1画面に多くて10行ぐらいしか文章を見ることが出来なかったかと思います。だからこそ、一生懸命収まるように、言葉を選びながら入力していましたね。今のLINEみたいにリアルタイムにやりとりなんて当然出来なかったから、きっと今より慎重に書いていたと思います。
一生懸命に文字をピポパポ入力して、送信しては、メールの返事を待っていました。そのやりとりはまさに「文通」の電子版みたいなものでした。メールが返ってきた時は、それはとても嬉しかったですよね。(今もメール機能は残っているけど、親しい間柄では、あまり使われなくなりましたよね)
また、当時のガラケーで使えたインターネット(auユーザーだった方は覚えていますかね、懐かしの「EZWeb」)ですが、ガラケーでネットの動画なんて見れたものではなく、基本的には簡素なホームページを見ることに使用していたと思います。音楽も、今みたいにインターネット経由で好きな時に好きな曲を高音質で聴くことなんて無く、音が数種類しかない「着メロ」をダウンロードして、メロディを楽しんでいましたね。メロディなんて言葉久々に使いましたな…(笑)。
ガラケーへの思い出は書き切れないほどありますが(笑)、話が進まないので、この辺で切り上げます。
スマホとの出会い
そして、大学生になる頃に、スマートフォン、通称スマホが登場しました。スマホは、ガラケーの不便さを全て解消すべく開発されたような機器で、ガラケーが持っていた色々な機能が、大幅に進化していました。ほぼ「持ち運び可能な携帯パソコン」とも言えるべき実用性になり、あれほど苦労した文字入力や動画視聴は、いとも簡単にパソコンと遜色ないレベルで使える様になったのです。
文通の如くやりとりしていたメールも、LINEやTwitterといったSNSツールに置き換わり、まるで隣にいて会話をしているかの如く、リアルタイムに意思疎通ができるようになりました。
私たちアラサー世代は、学生時代にこれだけの技術の進化に触れながら成長することが出来てラッキーだったな、って思います。技術の進化も、ありがたみも、時には犯罪にも繋がりうる怖さも、全て身をもって感じてきたと思うのです。
そして、私自身も、こういった技術の進化に興味を持ち、先進技術を「使う側」から「作る側」へとなってみたいと思い、大学在学中に、IT企業を志すことを決めたのです。自分の手でもっと生活を便利に出来る製品が生み出せたらいいなって思いましたし、今でもその気持ちは消えません。(慣れてきた事もあり、忘れがちですが(笑)、こういう記事を書いていると、思い出すことが出来ていいですね!)
就活~IT企業への入社
IT業界の就職活動
就活では、IT企業を中心に回りました。色々な会社が色々な商品を開発・PRしていて、凄く面白かったですね。電子機器を作る会社、パソコンやスマホのアプリ・ゲームを開発する会社、クラウドサービスを提供している会社など、実に様々でした。就職活動自体が技術の最先端に触れて回ることのできる社会見学の様でしたね。
そして、数ある業種の中でも、私は「組込系ソフトウェア開発」と呼ばれる、主に工場・高速道路の監視制御装置や、家電、通信機器等に組み込むソフトを開発する業種に決めました。
大学3年生の夏になる前に、念願のIT企業に内定が決まりました。
翌年、予定通りに大学を無事卒業し、私の社会人生活が始まりました。
研修課題の「自動販売機の開発」にワクワクする
入社してから半年間は研修期間でした。
研修では、製品の動作仕様を考える所から、設計、実装(プログラミング)、試験までの流れについて、学びました。仕事内容がものすごくクリエイティブで、毎日がワクワクの連続でしたね。
そして、研修の最終課題は、「自動販売機」のソフト開発でした。実際に製品開発をするわけではなく、練習用の課題ですが、実際の作業は製品開発と同じ流れで行われました。
動作環境の定義から行い、状態遷移設計(それぞれの状態で、何をすれば次の状態に進むか)、実装(プログラミング)、動作試験までを行いました。
ちなみに、状態遷移設計を具体例で書くと、こんな感じです。
(A)【アイドル状態】(お金が挿入されていない状態)
→お金の投入で(B)へ
(B)【お金の投入状態】
投入されている金額に応じて、購入ランプを表示させる
(ただし品切れしている商品は「×」を表示する)
→お金の投入で(B)へ
→商品ボタンの押下で(C)へ
→おつり返却レバーの操作で(D)へ
(C)【商品ボタン押下状態】
・押されたボタンの価格≦投入金額 の場合、
商品を排出し、投入金額を価格分だけ減算し、(B)へ
・押されたボタンの価格>投入金額 の場合、
商品を排出せず、(B)へ
(D)【おつり返却状態】
投入金額をおつり返却口に排出し、(A)へ
…どうですか?結構、楽しそうでしょう?(笑)
実際、ソフト設計は、こういうロジックを考えていく所(設計)から始まります。自動販売機の操作はそこまで多くないので、そこまで難しくも無いですが、大規模なソフトとなると、設計だけで数か月をかけたりもします。作る製品にもよりますが、設計はひらめきクイズを攻略するかのような作業で、楽しいことも多いです。
そして、上記の設計を満たす様に、プログラミングしていきます。書いたら実際に動かして、おかしい所を直して、を繰り返し、物を完成させていくのです。
そして「カーナビの開発」で「作る側」へ
そして、入社2年目の後半に、数億円規模の大規模プロジェクト、「カーナビ開発」の開発メンバーになります。契約守秘義務があるので、どこの会社のカーナビか、どんな機能か、は言えませんが(あぁ言いたい…)、誰もが知っている自動車会社の純正カーナビです。
発注元の自動車メーカー、メーカー傘下の開発会社数社と共に、我々の会社もソフト開発部隊として、開発会議に参加しました。
会議では、カーナビの動作仕様について、あれやこれやと意見出しをしました。これも守秘義務があるのでもちろん言えないのですが、「信号機の前で●●する機能があったら便利だよね」とか、「発進時に●●するような機能があれば売れるんじゃないか」とか、本当にドキドキしながらもワクワクするような会議でした。(当時ぺーぺーだった私はほとんど提案するまでには至りませんでしたが。笑)
数年前までは、「使う側」であった私が、今は、誰もが知っているメーカーのカーナビを「作る側」になっている。。。!!
…正直、実感はあまり沸いていませんでしたが、少々震えながらも、「自分のやりたいことが出来ている!!」と、身をもって感じることができました。
もっとぶっちゃけて言いましょう。「楽しい!!」
かくして、カーナビの開発は、総勢30名程度、半年間の開発期間をもって、無事にソフトを収めることができました。その後は数年間の実証検証を経て、今は既に製品化して、売られています。実際商品が世に出たのを見て、私は誇りに思いました。
今でも友人や家族に、そのカーナビを見かけたら、言ってしまいます。
「このカーナビ、俺が作ったんやで!」
…はい、分かってます、分かってます!作ったのは一部だろ!って(笑)。はい、実際には、一部なのですが(笑)、本当にそんな気持ちになって自慢したくなる。そんな素敵な開発プロジェクトなのでした。
あとがき ~IT企業ってこんなお仕事~
長々と、私のこれまでの仕事の想い出について、書いてみました。IT業界には夢があること、IT業界の楽しさ、伝わったでしょうか。
学生さんや、IT企業への転職を迷っている方に伝えたいことの一番は!
「「 ITは豊かな未来を創る!! 」」
ということです!
皆さんが日頃思っている「こんな事が出来ればいいな」を具現化していくのが私たちの仕事です。新しく開発した商品が世に出ていく時や、ユーザーの声を実際に聞いた時は、とてもやりがいを感じることができます。
魅力たっぷりのお仕事なので、是非、本記事を通して、この業界の魅力が伝わっていればいいなと思います。
ご購読、ありがとうございました。
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