【2020年】学部卒と大学院卒の「統計でみる」リアルな給料の違い

2020年1月25日

こんにちは、てぃってぃ(嫁)の夫です。

本記事は、大学卒業後に就活するか、大学院に進学するかで迷っている人向けへの記事です。特に「お給料」「生涯賃金」について気になっている方が多いんじゃないか?と思います。

結論から書くと、

「給料が上がるから」という目的で大学院に行くのは意味がない

のでやめてください。

どういうことなのか、「生涯賃金」の観点から、統計を交えてお伝えしていきます。自慢ではないですが、本記事の信憑性を上げるために書いておきますと、筆者は学卒/20代で年収600万円のステータスです。「なんだその程度か」と思う方は、回れ右していただいて結構です。(笑)

初任給は院卒が高い

まず、給料アップ目当てで大学院へ行く理由の多くは、「初任給が高いから生涯賃金も高い!」ということです。初任給は、確かに院卒の方が優遇されています。初任給だけで見ると、院卒の方が1~3万円程高いことが多いです。(しかしこれも年々差をつけない企業が増えてきているようなので、微妙ですが…。)

よく見かける「古い」学部卒 VS 大学院卒の年収差

次に、大学卒/大学院卒で比較した、年齢ごとの年収の差を見てみましょう。

学部卒vs院卒の年収差グラフ

こちらは、 内閣府経済社会総合研究所による論文をもとに作成しました。ネットの記事でも、本論文のデータはよく引き合いに出されます。この論文のデータによれば、

  • 学部卒は最高で年収800万、大学院卒は最高で年収1,000万に到達
  • 生涯年収の差は約4,500万

となるそうです。

…ですが、このデータを鵜呑みにしないで下さい。この統計の対象は「大企業」であり、統計データは2007年のものです。最新(2020年)の状況だと思わないで下さい。

※ ネット上のあちらこちらでこの論文をもとに記事が作成されている現状が、少々恐ろしくすら感じます。

最新の学部卒/院卒の給料差とは?

実は、厚生労働省(賃金構造基本統計調査)は、上記論文のデータ以降、学部卒/大学院卒の統計データを公表していません。平成30年の統計データを見ても、学部卒/大学院卒はひとくくりにされていて、別々には統計がとられていません。

そして、公表されている年齢別の年収統計を見てみましょう。例えば2018年の40台大学卒/大学院卒の統計を見ると、下図グラフの様になっています。

学部卒vs院卒_最新の40代平均年収

2007年調査の論文では、40代の平均年収は学部卒は700万、大学院卒は900万と記載されていましたが、2018年の調査では、学部卒・大学院卒の40代で、年収700万以上はわずか9%程度しかいません。2007年の調査がいかに実態と合っていないかが分かります。

つまり2007年の論文データに書いてある、大学院卒なら年収1,000万稼げるとかは、2020年では全く現実味の無いデータになっていると言えるのです。参考にしてはいけません!

あの「よく見かけるデータ」は、古くて、全くあてにならないデータなのです。

※ おそらくですが2007年の論文は、政府の大学院増設の推進派が作成した、「大学院に行くといいことあるよ」と言いたい資料なのだと思います。

結局、学部卒 VS 大学院卒で、生涯賃金がいいのは?

周りに就職した友達を見ていても、私自身についてでも、テレビでも、たびたび聞くセリフですが、結局、

「「学歴じゃなくて本人の能力によるので、学部卒だろうが院卒だろうが生涯賃金は大して変わらない」」

ということです。優秀な人は学部で就職しようが大学院で就職しようが結局優秀なので、バンバン出世して給料は上がります。実際、私の会社でも、入社してしまえば学歴は全く関係がありませんです。

特にものづくりの会社においては、その人のステータスよりも、現場での仕事の遂行能力の高さが求められます。今までどう過ごしてきたかではなく、入社後に与えられる、以下のような一つ一つの仕事を着実にこなせるかどうかが、評価ポイントになるのです。

  • (入社時)電話対応、報連相
  • (配属時)OJTを通しての仕事内容理解
  • (~5年)上長支持のもと、1人でドキュメント、成果物を作成できるか
  • (5年~)リーダーとして部下を指示しながら行動ができる

ですので、大学院にはお給料目当てで行くのは得策ではないです。他に大学院でしか達成できない、明確な目標・目的を持って行くことをオススメします。

  • とことん研究をしたい
  • 就活に自信が無いから推薦で就職したい
  • まだ働きたくない(←こういう人は出世しないけどね…)

学卒社会人から見た個人的見解

ここからは、学卒で就職して20代で年収600万円以上を稼いでいる筆者の個人的感想になります。ここに書いていることが全てでもないので、あくまで参考程度にしてくださいね。

① ぶっちゃけ、お金の稼ぎ方は色々あります。入った会社の収入だけが人生の収益と思わないで、副業なり、株・FXなり、色々な方法でお金を稼げる世の中になっているので、初任給だけに目を向けて大学院に進む必要は全くないです。これは断言する。(私のブログもそう。興味あったら他のページも読み漁ってみてね)

② 「まだ働きたくない」という理由で進む(≒逃げる)人は、結局会社でも出世することが出来ずに、積極的に仕事がしたいという理由で会社に入った学部卒には全く追いつけないと思う。私の後輩の院卒にすごく多い。でも、それもその人の人生だから、否定はしないけど。

③ 学部卒に対して、院卒は2年社会に出るのが遅くなる。この2年をどう捉えるかですね。入社後、年下の上司も多くなると思う。でもまぁ、そこは大して気にする必要はないと思う。別に30歳も32歳も大して変わらないし。

④ 特に国公立、有名私立以外の場合、院卒だろうが学部卒だろうが扱いは全く同じ傾向が増えてきます。国公立、有名私立にて、行きたい企業の推薦が院卒限定の場合などは、行く価値も多いにあると思います。まぁ、なんにせよ、目標ありきで進むべし、です。

まとめ

記載した通り、生涯賃金という観点では、大学卒/大学院卒を比較できる正確なデータはありません。ネット上にあるのは、古いものか、大企業を対象にしたものしかありません。

やはり、大学院に進む場合は、明確な目的をもって進まれることをオススメします。

ご購読、ありがとうございました。