【実体験】婚約までした彼女の浮気に気づき、問い詰めた話。ー後編ー
こんにちは、てぃってぃ(嫁)の夫です。
前回の続きです。前回の記事はこちらからどうぞ。
前回に引き続き、本記事中でも主役である彼女のことは「M」と記載します。
※ 注意 ※
大変気持ち悪い内容が延々続きます。中には気分を害される方もいるかもしれません。その場合は、すぐに読むのを中断して下さい。
婚約者Mの浮気を問い詰めるとどうなったか(後編)
前回のあらすじ
これは、私(筆者)が大学生の頃の話。
大学在学中に普通自動車免許を取得するために、バイトをして教習費用を稼ぐ必要があった。そして、燃え盛る様な暑い夏の日、ある塾が募集していた「模擬試験の採点バイト」を始める。採点は2人1組でおこなう仕事であり、私とペアになったのが、当時看護学生だったMであった。
Mと私は意気投合し、バイトが終わった後も2人で遊ぶ仲になった。やがて「友達」という枠を超え、トントン拍子に「カップル」、同棲を始めて「婚約者」へと、幸せの階段を駆け上がっていった。まぎれもなく、誰が見てもラブラブで仲のいいカップルだった。あとは幸せな人生が待っているだけ。そう信じて疑いませんでした。
そんな全てが順調に感じていたと思っていた中。
少しずつ、Mの異変が私を襲い始める。
ある時は、中華料理店では食事が出てくるまで、スマホをいじり続けている。ある時は、急にスマホの画面にロックをかけはじめる。
「何か、おかしい・・・・。」
でもまぁ、深く考えるのはやめよう。
そんな事は、考えられない。いや、考えたくなかったのかもしれない。
そして、季節は変わり、寒い冬の日。
事件は起きる。
ある日、私は仕事が長引き、「徹夜で帰れない」とMに連絡した。その連絡に対してはMから了承の返事があり、Mに申し訳ないと思いつつも、仕事を進めることにした。
しかし、その後仕事は好転し、やっぱり帰れることになったので、「やっぱり帰る」と連絡した。だが、返事は来ない。
見ていないだけか・・・。そう思いながら私は仕事を切り上げ、2人分の夕食を買い、家に帰った。
第4話「意味がわからない」
~1人だけの部屋~
「ただいまー。」
・・・シーン・・・
返事がない。
「ただいまー!」
・・・シーン・・・
家に帰り、いつものトーンで、いつもの決まり文句を言うが、返事がない。
「寝ているのか・・・?」
分からない。リビングに進もう。リビングに進むしかない。
いつもより、靴が脱ぎにくい・・・。
怖い・・・。
―― リビングは、私の期待した光景ではなかった。
そこにMの姿は無かった。時刻はもう22時を過ぎている。こんな時間に、1人のリビングなんて、同棲を始めて以来、初めてだ。
Mがいない。その予感は身体の奥底で感じていたのだが、どこか認めなくなかった自分がいたのかもしれない。しかし、今その事実を目に焼き付けられてしまった。
「あれ、いない…。何してんのやろ・・・」
買ってきた2人分の弁当。自分の分さえ食べる気にならず、ただ茫然と立ち尽くていた。
理解できない光景。私の思考回路は完全に停止していた。ただただ絶望が私を襲った。
~意味がわからない~
それから、何を考えていたのか、わからない。何も考えていなかったのかもしれない。ただ、ひたすらに寝ずに起きていた。寝られなかった。
そして日は変わり、夜中の2時頃、Mから連絡がきた。
「ごめん、今から帰る」
「無事でよかった。」
・・・なんて、思える余裕など残っていなかった。この時の私を支配した感情はただ一つ。
「怒り」である。
――― そして夜中の3時頃、 Mが家に帰ってきた。 怒りと動悸でおかしくなりそうだった私は、すかさず聞いた。
「どこで、何しとったん」
我ながら当然の質問である。
Mは焦った表情をしながらこう答えた。
「コンビニでパン買っとった」
・・・ハァ??
コンビニでパン?いつもそんなことしないのに?夜中2時に??コンビニ?連絡はなぜ返さなかった?
おまえは何を言っている。
意味がわからない。
もう朝4時ぐらいまで喧嘩していただろうか。そのあとなんの会話をしていたのか、今でも思い出せない。ただし、その場では、「究極の選択」までには至らなかった。
おかしくなりそうな気持ちの中、一睡もできずに翌朝を迎えた。
最終話「もう戻れない」
~禁じ手~
あの日から、私たちカップルはおかしくなった。
会話は激減し、特に私はMの行動すべてが疑わしく思えるようになってしまった。
楽しかった同棲生活は、牢獄のように変わってしまった。
Mは何を想って同棲生活を続けているのか分からなかったが、あの日の喧嘩以降も、陰でスマホをいじっていることは変わらなかった。私と仲良くしよう、やり直そう、という気持ちは微塵も伝わってこなかった。いや、伝わるも何も、そんな気持ち無かっただろうから、当然なのだが。
私は仕事も集中できず、家に帰っても落ち着かず、良く分からないMの態度に、疲弊しきっていた。ついに考えてはいけないことを考えてしまう。もう我慢の限界だった。
「スマホを見るしかない」
スマホで何をしているのかと聞いても、きっと嘘をつかれるに違いない。聞いた後にデータを消すに違いない。もう証拠を押さえるしかない。
Mはスマホのロックをしていたが、数字ではなく、何個かある「点」を正しい順番でなぞって解除するタイプだった。もう我慢の限界で精神がおかしくなっていた私は、Mの指の動きから解除パターンを盗み見た。
※ 今、自分でも書いていて嫌になるし、後にも先にもこんなことをしたのはこのときだけだということを断らせていただきたい。まだ心が幼かった私は、それぐらい追いつめられていた。
そして、Mがお風呂に入る。Mはお風呂が長く、30分はかかる。
私は意を決して、Mがお風呂が入っている隙に、Mのスマホを手に取る。
もう元の関係には戻れないことを覚悟した。
~見てはいけない世界~
私はついに、Mのスマホロックを解除し、LINEを盗み見た。
そこには、目を疑う世界が広がっていた。
LINEには、5名の男とやりとりしていた履歴があった。
心臓が急激に高まる。胸が焼けるように熱い。後にも先にもこの時ほど胸がドキドキしたことはなかった。頭がおかしくなりそうだった。
もうどうにでもなれと思った私は、勢いでやりとりの中身も見てしまった。書きたくはないが、予想通り、どれもこれも、許すことのできない、男女関係に満ち溢れた内容であった。今まで「用事」と行って出かけていたのも、2時まで帰ってきていないのも、全て男と会っていた様だった。
「疑心」は、「確信」へと変わった。
「迷い」は、「怒り」へと変わった。
更にやりとりをのぞき見すると、次の土曜日は、どうやらS(仮名)とカラオケデートをするらしい。いつもLINEをピコピコ送りあっていたのも、こいつの様だ。
そしてMがお風呂からあがってくる。私は、Mの最後の良心にかけるべく、あえて直接言わずにカマをかけてみることにした。
「なぁ、次の土曜日、買い物いかん?」
Mはこう答える。
「ごめん、親と会う予定あるねん」
当然だった。真実を言うはずなどない。
空気を吸うように嘘の言葉を吐き出すM。
・・もういい。もうどのみち、戻れない。
「嘘つくな!スマホ見たから全部知っとんねん。勝手に見たんは俺がクズやった、謝るわ。やけどお前がやってることも十分クズや!!」
理性など無かった。頭は怒りに支配されている。もう自分をコントロールすることができなかった。自分が自分でないみたいだった。
Mは泣き崩れた。
そして、こう言った。
「○○(私)に言えないことだって、あるんだよ・・・」
「相談、乗ってもらってただけ・・・」
不思議にも、私がスマホを勝手に見たことに対しての反撃は無かった。ただただ泣きながら、浮気ではない、でもごめん、といった内容をひたすら話しているだけだった。
~自由~
それからの数日間は、もう仮面カップルとでも言うべき状態だった。
お互いにもう好きじゃない。他に行くところがないから一緒にいるだけである。
消化試合のような時間が過ぎる中、ある日の晩、Mがこういった。
「私、フリーになりたい」
私はすぐに意味を理解した。
私も同じことを思っていたから、当然である。
「分かった」
家を出ていくのはMになった。Mはすぐに引っ越しの準備を始めた。
3年間寄り添ったMと離れることが確定した瞬間だった。
家に飾ってあった写真、婚約指輪。全てがいい思い出に美化されてきた。
「これで本当によかったのだろうか」。そんな想いも無かったといえば嘘になる。
そして、家を出る前日の夜。
「最後に、散歩がしたい」
Mからの誘いだった。2人で散歩に出かけた。
何度も何度も歩いた、近所のなんてこともない普通の道。普段は何も思わない道なのに、この日は目にうつる景色の1つ1つが私に何かを感じさせる。
そして、「最後のデート」を終え、家に帰り、布団に入った。
Mは、泣いていた。
―― そして夜は明け、朝に、Mのお母さんが車で迎えにきた。
Mのお母さんは大変お世話になったいい方だ。私は自然と心からお礼が言えた。
「今までたくさんありがとうございました。」
お母さんは、言葉を発さずに、にこっと会釈した。
そして、Mは車に乗る。
エンジン音がかかると、Mは手を振って、私の視界からいなくなっていった。
こうして、私のMとの関係は、幕を閉じた。
編集後記:ふりかえって
以上になります。書いていて中々きつい記事でした。スマホ見てしまうワイ、果てしなくキモひ・・・(ほんとに、そんなことしたの人生で1回だけですよ!!)
でも、あの時に比べると、自分は成長したなって思います。
あの時の自分は、「隠れて浮気しやがって、この野郎」という怒りしかありませんでした。彼女を完全悪だと思い、浮気を暴くことにしか頭が無かった。
でも、今は違います。「なぜ彼女は浮気に走ったのか」という原因の方が気になります。結局そのことはガキだから聞こうとしなかったのですが、きっと私に至らないところがあったのだろうと推測します。本当にそう思います。
もちろん、だとしても、そこを言い合える関係が、深い信頼関係を構築できる理想のカップル、夫婦だと思います。
そう思えるようになるまでかなりの時間がかかったけど、この経験も、今の自分の幸せな家庭に繋がっているんだろうなと思うと、悪くもなかったなと思います。(こうしてブログネタにもできちゃうしねw)
長くなりました(前後編合わせて8,000文字以上)が、付き合ってくださった方、ありがとうございました。
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